ネガティブなスタートのフリーランスの方は気をつけて

卵とじにすると何でも食べれそうな気がします。
こんにちは、キイチです。

私は好き嫌いが「ほぼ」ありません。
「ほぼ」というのは好んで食べるものはたくさんあるけど、好まないものも食べるからです。

しかし、中にはタイミングというのか「今はその食べ物の気分ではない」という、飽食の時代に甘やかされてきた贅沢な思考に自分すら翻弄されることがあります。

そんな中で唯一、卵でとじる、卵でくるむという調理法がその悩みを解決することが多くあります。
親子丼、カツ丼、天とじ丼、牛とじ丼、玉子丼…、数えたら丼だけでも沢山、他にもオムライス、天津飯…。
消しゴムすらも卵とじにしたら食べれそうな気がします。
(あくまでも気がするですよ。実際には食べませんし、食べれません、消化できません。)

卵でとじる、包ませることで食材の弱点や危険な部分を見事に隠し、食欲を触発します。
考えてみると「毒をも食らって腹壊す」ような恐ろしい話です。

この卵とじ現象がフリーランスになってから感じるようになりました。



「どうしよう」から始まったフリーランス生活

私はデザイン系専門学校を卒業後、地元に戻り紆余曲折しながらもWEBデザイナー・ウェブ制作者を生業とさせています。
ウェブ系の仕事はフリーランスや在宅ワーク等、所謂リモートワークの就業形態が取り入れやすい職種だと思います。
消極的だと思われるでしょうが、私は出世欲や金欲が良くも悪くも高くなくハングリー精神に欠けていて、大企業で出世して贅沢な生活をするより、質素でも慎ましく安定した穏やかな余生を過ごすことが幸せだと思っています。
これは今でもそう思っています。

終身雇用を理想としてはおりませんでしたが、日本の社会の仕組みからすれば、社会保険や厚生年金の恩恵や会社に所属することで一定額の報酬とあわよくばボーナス等の賞与があるのは大変喜ばしいことです。
言ってしまうと、日本の国民で会社に所属するだけで、上記の恩恵を受けられるのです。
私もそんな一人でした。

しかし10年程前になりますが、子どもが生まれて3日後に心筋梗塞で倒れてしまいます。
ギリギリな感じで助かりましたが、その後が大変でした。

元から会社や社会に貢献出来ているのか疑問だった不良社員がさらに使い物にならなくなってしまったのです。
どうしたら生産性を高く出来るのか、利益を上げることの難しさに悩んでいました。

そんな状況でも図太く会社に所属し、会社や世の中の恩恵にあずかっておりました。本当に助かりました。
今でも会社や世の中に感謝しています。
若干罪悪感があり、当時ほとんど定時で帰宅していましたが、ちょっと会社に居づらくなった事もありました。

そんな状況が続くわけがなく退社することに。

退社してから仕事をどうするのか悩みましたが、ここからフリーランスの始まりになります。

きっかけは病気です。
積極的なフリーランスではありませんでした。



仕事が貰えるという「卵とじ」で「仕事」の本質に気づけなかった

そんな感じで始まったフリーランス生活。
私の場合は環境が恵まれていたと思うので、参考にはならないですが、お仕事はいただけました。

見出しの「仕事」の本質というのはこの時点ではとても気づいていません。と、いうか今もギリギリで気づいていないのかもしれません。
要は「仕事」とは「作業」と「対価」を交換するという至極普通のことなのですが、以外に気づけていませんでした。

仕入れのあるものは商品の仕入れ値とそれに付帯する労力(人件費)や場所代などの経費と利益が合わせたものが、代金として提示しやすいのではないかと思います。

ところが、WEBデザイナー、プログラマー、イラストレーターなどの職種はWEBデザイナーならWEBサイトのデザインデータ、プログラマーならシステム等、イラストレーターなら一点のイラストが商品ということになると思います。
その商品は問屋から仕入れるものではなく、作者のスキルを駆使し、時間を割いて作成したもので単純に仕入れ値というものが存在しません。
さらに言うと、作者のスキルや時間は利用者(お客様)には伝わりにくく、理解されないことがあります。

WEBデザイナーの場合、数十万からのスクール費、制作に必須なPCやソフトウェア費、サーバー費、日々変化するウェブ業界に対応していくための学習に関わる書籍等の費用、さらには資格を取る場合にはその費用がかかります。
また、スクール以外は継続して発生します。
そこに、電気代や事務所を借りている場合は家賃、ネットワーク構築にかかる費用があり。さらには各種税金、保険等も納め。
諸々から、デザインから公開までの費用で、大凡ページ単価3万円を下回るとなかなかしんどいものがあります。

ところがお金に対してシビアなのは、お客様も同じこと。なんとか安価で希望のサイトを構築したいと交渉することになります。
こちらとしては上記の3万円は下回りたくないというところですが、お仕事は欲しいというジレンマに陥ります。
そして、仕事が無くなる恐怖から同様の作業量で安易に値引きをするのです。
(3万円はあくまでもページ単価になります。大雑把にいうとディレクション、デザイン、コーディングを行った場合の金額です。CMSの導入、イラスト作成や写真撮影、ライターさんによる文書作成、サーバーの契約等の諸手配の費用は含んでおりません。)

「仕事」の本質に気づけなかったということで、同じことを繰り返し負のスパイラルによって、クリエーターから単純作業者へと変わっていきます。
それだと、作業で疲弊し、時流に合わせた設備投資や新しい技術の習得に充てる余裕が無くなります。

上記の金額でギリギリの利益になると思いますが、これだとうっかり病気になんてなれません。
というのが、現在までの私だと感じており、これを改善しなければ豊かな将来が描けないと気がつきました。



フリーランスウェブクリエーターの料金設定を見直そう

ここまで来て気がついたことが、明確なプラン、料金設定が必要であること。
今までは、どんぶり勘定になっていました。

確かに無理して料金設定せずとも、予算からどのくらいの作業まで可能なのかという算出は可能です。
しかし、その時に明確理由付けがなされた料金設定があれば、作業内容によって単価を説明付きで効率的にお伝えすることが出来ます。
また、お値引きの際にも理由付きで作業項目を減らすことができます。

この「値引き=作業全体ー作業項目」という公式が大事であり、どんぶり勘定時にありがちな「値引き=作業全体ー作業量」になると作業量は目分量になってしまい、最終的に「作業>費用」になります。
私の場合、ほぼ現時点までこの「値引き=作業全体ー作業分量」で大雑把な料金設定をしてきたことで、余裕のない経費管理になり、設備投資や学習が中途半端になっています。

したがって、料金設定を理由を付けて明確にし、値引き交渉では提案も含めた作業項目の引き算で値引くようにしていきます。

以上のように料金設定を見直すと、今までのようにはいかないことが予測されます。
最悪の場合、仕事が無くなる恐れもあります。
お客様からしたら「前回と料金が違う!」「そんな予算は無い!」「他にお願いする!」となること必至です。
当たり前です。
だからといって「これ以上は負けられん!!」と頑なにならずに、かといってどんぶり勘定では無く、サイト構成、デザイン、演出等を包括的に(もちろん担当範囲で)見た、値引かれた提案と理由のある料金から見積もりを提出させていただいて、ご理解とご了承いただくようにしていこうと思います。



「足るを知る」過剰な欲は疲弊の元

結局仕事とは何なのか、今更ながら考える良い機会を去年いただきました。
多分、それまでも自分で分かっていたのだと思います。

ネガティブスタートのフリーランスでは、とにかく仕事をいただくことが第一で料金で文句を言うのは以ての外と今でも思っています。
言い値で働くことが悪いことではありません、状況によっては仕事の中で学習させていただくこともあるでしょう。
その場合は料金を自分の学習費を相殺して料金として提案しても良いと思います。出来ればそれもお客さんには理解してもらうのが良いです。

あとは色々な「欲」に左右されないよう気をつけるということ。
お仕事を貰えることはとても大事なことですが、貰えることにのみ注視せず、得られるものをしっかり考えて対応しないとお財布が大変なことになるでしょう。
お仕事を貰えるという「欲」は全体を見通せなくなる可能性があるので注意します。

単純に大きな利益だけを見てしまう「欲」。
どんな業界でも当てはまることだと思いますが、目先の利益で自分のコントロールの範囲を逸脱してしまっては結果、信頼を失うことに繋がります。
自分のやれる範囲、自分の担当範囲をしっかり見極めて、一つ一つの案件を丁寧にこなしていくことが大事。

地域によって差はあるかと思いますが、フリーランスになると明らかに自分の専門分野を超えた依頼が多数あります。
期待に答えたい、助けてあげたい、そんな気持ちから全てを自分で請け負うのは大変です。
私はデザイン、コーディングや簡単なプログラミング(HTML、CSS、Javascript、PHP)、一部レンタルサーバーの操作まではある程度自身を持ってお請け出来ますが、デザインとコーディングで出来る範疇を超えたウェブページの解析とご提案やサーバーサイドの作業、例えばサーバーの構築からセキュリティ対策は正直難しい可能性があります。サイトの引っ越し程度なら大丈夫です…だと思います。

利益だけを見据えずに自分のコントロール出来る範囲で対価をいただくことを見据えて対応するというと、そういった案件を全て断ってしまうのかというと、そういうことではありません。
自分の範囲外のスキルを持った人の連絡先を知っていれば良いというだけです。大きなお仕事なら皆で分けましょうということです。

以上から「欲」に左右されずに、今の自分の環境を鑑みて「足りている」なら、先を見越した学習や商材の開発に充ててみたり、とにかく長い目で行動したほうが幸せになれる気がします。
自分のペースで絶えず行動し、ポイントに差し掛かった時に自分の周りと自分をしっかりみて楽しく仕事をしたいですね。




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